労働基準監督署調査の実態
2016年9月7日
- 労働基準監督署調査の実態
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労働基準監督署の調査は主に次の3パターンに分類できます。そして圧倒的に多いのが①と②のパターンです。
①従業員等による内部告発
②抽出によって選ばれる
③以前に調査を受け、指導があった場合の後追い調査
抽出によって選ばれる②のいわゆる定期監督の場合は、申告者がいるわけではないので、調査する監督官の性格や調査を受けるこちら側の態度次第で、調査の厳しさの度合いが違ってくることもありますので、調査に協力的な態度をとりながら違反事項があった場合は、素直に是正するくらい気持ちで臨めばよいと思います。
一方、①の従業員等による内部告発(申告監督)の場合は、定期監督とは異なり申告者がいますので、その申告内容に基づき詳細に調査が行われることになります。
また、申告監督の多くは残業代の未払いの請求であることから、結果的に割増賃金等の遡及支払の勧告を受けるということも多くなり、それ相当の覚悟が必要となります。
それでは、実際の調査で労働基準監督官は何を調査するのでしょうか。
1.事業場・労働者について
1)事業内容や事業主に関すること、及び労働者に関すること全般。2.労働条件等について
1)労働条件通知書(雇用契約書)
2)就業規則及びその周知状況
3.労働時間及び時間外労働の状況
1)タイムカードあるいは出勤簿などの労働時間の把握状況
2)時間外・休日労働に関する協定届
3)変形労働時間制の労使協定届
4)労働者の時間外労働・休日労働の状況
4.賃金の計算・支払
1)賃金台帳
2)時間外・休日労働手当の支払い状況
3)時間外・休日労働手当の計算方法
4)時間単価が最低賃金を超えているか
5)賃金控除協定書
5.年次有給休暇に関すること
1)年次有給休暇の管理簿等の作成状況
2)年次有給休暇の周知状況及び取得状況
3)年次有給休暇の取得手続について
6.安全衛生管理について
1)安全衛生推進者等の選任状況
7.健康管理について
1)健康診断の実施記録
2)健康診断結果報告
以上のことについて、すべてを調査することもあれば、これらの中から抜粋して調査することもあります。
近年は特に長時間労働による過労死が社会問題となっていることから、労働時間に関することと、未払いの残業代の請求が増えていることから、賃金の計算方法・支払状況については、かなり重点的に調査されると考えて間違いありません。
いまからでも遅くはありませんので、労働時間と賃金の支払状況を中心に労務管理について、再度点検し、監督官がいつやってきても安心して対応できるよう整備してゆくことが肝要だと思います。
☆豆知識☆ 気を付けたい「○○○ハラスメント」ランキングワースト 10最近、やたらと耳にするワード「なんとかハラスメント」。
職場はもとより、学校、家庭内でも起こりうる『ハラスメント』ですが、ハラスメントと名のつくものがいったいいくつあるかご存知ですか。
諸説あるようですが、現在 30 種以上のハラスメントが確認されています。
さらに怖いことにこのハラスメントは現在も増殖中なので、警戒が必要です。
その中で今回は、特に気をつけたい職場内でのハラスメントについてランキング形式で10種類を取り上げます。
第 1 位 セクシャルハラスメント
ハラスメントの代名詞と言われるセクシャルハラスメント、いわゆる「セクハラ」。性的嫌がらせ・いじめです。
第 2 位 パワーハラスメント
職務上の地位や優位性を利用し、業務の範囲を逸脱して精神的・身体的苦痛を与えるもの
第 3 位 マタニティハラスメント
妊娠や出産が理由で嫌がらせや不当な扱いを受けること
第 4 位 エイジハラスメント
年齢による偏見や嫌がらせ・いじめ
第 5 位 エアーハラスメント
和やかな雰囲気を壊す発言や態度をとることによる嫌がらせの一種
第 6 位 アルコールハラスメント
飲酒に関する迷惑行為や、飲酒の強要といった嫌がらせ
第 7 位 テクノロジーハラスメント
主にパソコンやスマートフォン等に詳しい人がそうでない人に対して行う嫌がらせ
第8位 スメルハラスメント
強い香水や柔軟剤などのにおいで周りを不快にさせる行為
第 9 位 リストラハラスメント
リストラ対象者に対する嫌がらせの総称で、さまざまな方法で退職に追い込む行為
第 10 位 終われハラスメント
会社が就活中の学生に対し、内定を出すことの引き換えに就職活動の終了を強要する行為
以上、第 10 位までランキング形式で軽い感じでお伝えしましたが、ハラスメントの怖いところは被害者の精神的・肉体的苦痛はもちろんですが、ハラスメント被害者がうつ病などの精神障害発症や最悪自殺に追い込まれることです。
また、これらのハラスメント被害者から加害者への損害賠償請求額が非常に高額化していて「ほんの軽い気持ちでやった。」ことが取り返しのつかないことになりかねませんので、他人が嫌がるであろうことや不快に感じるであろうことを考えながら発言あるいは行動に移すよう心掛けましょう。
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