育児休業中の保険料免除要件の見直し

2021年11月10日
改正育児・介護休業法の成立により、今後、男性の育児休業の取得がさらに促進されると予想されますが、健康保険法・厚生年金保険法も改正されたことにより、育児を目的とした休業に対し、実態に即した保険料免除の方式に変更となります。 現在、男性の育児休業取得が奨励され、初めて取得率が10%を超えました。しかしながら、男性の育児休業は女性に比べ短期間の取得となっているケースが多いです。育児休業は取得日によって社会保険料の免除に該当する場合としない場合があり、以前から問題となっていました。(月末に育児休業を取得している場合は、その月に支給された賞与分も含め社会保険料が免除、そうでない場合は免除されない。)そこで2022年10月1日施行として、改正が行われることとなりました。

◆改正内容◆

改正後は育児休業の取得の場合において、「育児休業を開始した日の属する月とその育児休業が終了する日の翌日の属する月が同一」「その月における育児休業の日数が14日以上である」の両方の条件を満たした場合に、その月の社会保険料が免除されることになりました。また、賞与に係る社会保険料については、育児休業の期間が1ヶ月を超える場合に徴収が免除されるように変更されます。これは短期間の育児休業であればあるほど、賞与に係る社会保険料免除を目的に月末日のみの育児休業を取得する誘引になっていたことがあり、改正されるものと考えます。 施行日は2022年10月1日であり、給与計算における育児休業中の社会保険料の控除の仕組みが複雑になるため、施行までに手続きから給与計算の流れまでを整理しておくことが必要となります。
従来 改正後
給与に係る社会保険料 月末時点で取得している(1日のみでも可) 同一月内で14日以上の取得(月末を含んでいなくても可)
賞与に係る社会保険料 1ヶ月を超える期間の取得

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SATO社会保険労務士法人
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