成長戦略としてのM&A-目的の多様化する中堅・中小企業のM&A-
2015年9月24日
メディアで大きく取り上げられる大企業の案件だけでなく、国内の中堅・中小企業にとってもM&Aは日常的な経営手段の一つとして定着しつつあります。
国内の中堅・中小企業にとってM&Aは、これまでは事業承継の手段としての側面が強く、後継者不在の高齢なオーナー経営者からの相談が多く寄せられていました。
一方で最近は、成長途上にある中堅企業の30~40代の若手オーナー経営者が、戦略的に自社を成長させることを目的にM&Aを活用するケースも増加傾向にあります。
過去にご相談をいただいた例として、ある介護企業の30代若手オーナー経営者がおられました。
地方都市でしっかりとした収益基盤を持ち成長途上にありましたが、社内の内部管理体制が十分に整備されておらず、また、同業大手と比較して、新規拠点開設のスピードに課題を抱えていました。
解決策として、若手オーナー経営者が引き続き経営を担いながら、プライベートエクイティファンドの出資を一部受け入れることで、当該ファンドの人脈や資金などの経営資源を活用し、成長を加速させることを選択しました。
現在は内部管理体制が強化されたことはもちろん、受け入れ前よりも新規施設開設のスピードアップも図れ、更に将来的な株式公開も視野に入れております。
上記の話は一例でしょうが、企業規模が拡大していくにつれて、自分達だけで企業を伸ばしていくには、ガバナンスや資金面などに不安を感じている為、解決策として「ヒト・モノ・カネ・情報」を得る戦略的なM&Aを活用する若手オーナー経営者は更に増加してくると思われます。