会社を守る成功のカギとは
「事業承継」と「企業磨き」

2015年10月7日

企業の寿命は30年と言われています。激動する時代に柔軟に対応していく必要性がある中で、中小企業の場合30年を超えて事業を継続させるためには、その事業の中心となってきた経営者の交代も必要となります。経営者が交代するということは、まずは次世代の経営者を適切に選択することが重要です。 会社を、事業を継続させていくために、どのような選択肢が「事業承継」にはあるのでしょうか。

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1. IPO

IPOにより市場から資金調達が可能、株式の換金性を高められる等から経営者にとって最善な「事業承継」の選択肢の一つと言えます。

2. 親族への承継

子供に経営者としての資質があり、子供自身にも継ぐ覚悟がある場合に選択するいわゆる親族内承継のことを言います。社長業、自社株、個人財産のバランスを考えて承継を進めていきます。中小企業にとって理想の選択肢とも言えます。

3. 従業員への承継、外部からの招聘

親族への承継が選択肢から外れ、経営者としての資質がある従業員がいる場合に「限定」されます。また、従業員による自社株式の買取資金の有無等をクリアすることが条件になります。

4. 事業承継型M&A

親族、従業員等の後継者不在時に選択され、株式譲渡の手法が多く採用されます。自分の会社を引き継いで欲しいと思える会社、引き継ぎたいと思ってくれる会社に出会えれば、換金性の低い自社株式を現金化でき、先代の借入保証の解除も可能であり有効な選択肢と言えます。

5. 清算

上記の選択肢が取れず、やむを得ないときにのみ選択していくことになりますが、そもそも事業が継続しないことですから、望ましい選択肢とは言えません。

それぞれの現状と将来を見据え、適切な選択をし、「事業承継」を成功へと導くためには、いずれの選択も可能である魅力ある企業にしておくこと、いわゆる『企業磨き』が必要なこととなります。 「事業承継」では、相続、税金対策も大切ですが、事業そのものを守り継続させ、更に次世代のステージで発展を遂げるための対策を講じることが最も大切です。 目まぐるしく変化する経営環境の中、事業を第一に考えた「事業承継」対策こそ会社を守る成功のカギとなるはずです。

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