第4回 FP&Aに求められるスキル
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【5分で納得コラム】
今回のテーマは、「FP&Aに求められるスキル」です。内容
第4回 FP&Aに求められるスキル
FP&Aは管理会計およびファイナンスのプロフェッショナルとして、事業上の意思決定を支援するビジネスパートナーです。FP&Aには経理・財務の知識が必要ですが、事業の理解も非常に重要です。そのため、経理・財務部門のメンバーだけでなく、データ分析やビジネスに関する知識を持ったメンバーも所属することがあります。
今回はFP&Aに求められるスキルについて説明します。
1. FP&Aに求められるスキル
事業上の意思決定を行うには、財務会計だけでなく、管理会計やファイナンス、効果的な分析を行うためのデータ分析やビジネスに関するスキルが必要です。意思決定を円滑に進めるためには、コミュニケーションスキルも必要です。また、これらのスキルを正しく活用するためには職業倫理の保持が求められます。
2. 管理会計・ファイナンス
将来予測や戦略計画プロセスの主導、意思決定プロセスの支援、リスク管理、業績のモニタリングから、会計基準や法令に従って組織の業績を測定・報告するためのスキルが求められます。適切な意思決定を行うためには、判断材料が必要であり、FP&Aには会計基準や法令に従って組織内外に報告を行うことが期待されています。
そのため、FP&Aには、原価計算、予算管理、業績管理、戦略計画、意思決定分析、投資意思決定、リスク管理、内部統制、財務諸表作成、財務諸表分析、統合報告、税務などのスキルが求められます。
3. データ分析
戦略の策定や経営意思決定を行うためには、データ分析スキルが求められます。特に近年では、データの活用によって未来の予測に基づく経営を行う「データドリブン経営」が重要視されています。これにより、事業環境の変化に柔軟かつ迅速に対応し、合理的な意思決定が可能な環境が整備されます。
様々なソフトウェアを使いこなすことで、計数管理や集計作業にかかる時間を削減し、より経営管理や経営判断に資する情報提供に時間を割くことが可能となります。また、数字の見せ方に関しては、エクセルよりもBIツールなどを活用することで、事業部と共通の言語で議論を行えるインフラを整備し、より深い議論につなげることができます。
さらに、データ分析スキルに加え、新たなソフトウェアを導入する機会がある場合には、円滑な導入を進めるためにシステムに関するスキルも求められます。
4. ビジネスに関する知識
FP&Aは職能横断的なクロスファンクションのチームにおけるビジネスパートナーであるため、業務知識や業界特有の知識、品質管理やプロジェクトマネジメントに関するスキルが求められます。
5. コミュニケーションスキル
FP&Aには、分析ができるだけではなく、それに基づいて提案を行い、経営者が事業部責任者に行動を起こさせ、成果が出るまでフォローするためのコミュニケーションスキルが求められます。つまり、計画の策定だけでなく、計画の実行まで責任を持つことが期待されているため、組織内の関係者の意思決定に影響を与えるためのコミュニケーションスキルや、他人を動機づける能力、他者と協働する能力、変化に対応する能力、紛争解決能力、交渉能力、人材育成能力などのスキルが求められます。
6. 職業倫理の保持
プロフェッショナルとしての価値観や倫理的な行動、法令を遵守するために、倫理的に問題のある行動に気付いた場合にいかに対処するべきか等の能力が求められます。
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