第2回 FP&Aの基本ステップ

2024年7月11日
FP&Aの基本ステップ

【5分で納得コラム】今回のテーマは、「FP&Aの基本ステップ」です。

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1. 「FP」の基本ステップ

①経営方針の策定

企業理念は自社が何のために存在するのか、社会にどのような価値を提供するのかという存在意義や社会的目標を表します。経営方針は企業理念を実現するための、具体的な方策を定めたものです。企業を取り巻く環境は時間の経過によって大きく変わるので、外部環境や内部環境を分析した上で経営方針を策定します。

②外部環境分析

外部環境は、会社の業績に直接影響を与えることから、特に業界変化への対応策を利益計画に織り込むことが重要であるため、業界環境の詳細な分析が必要になります。他にも、業界内での自社のポジション把握、同業他社の競争力評価、自社業績のトレンド把握(例 過去〇期連続増益)などを行い、同業他社分析を行います。

③内部環境

分析する上で、FP&Aの「A」にあたるデータ分析作業を行うとともに、②の分析結果を整理した上で、SWOT分析を行い、重点課題の抽出及び重要なリスクファクターの特定を行います。重要なリスクファクターの特定後はリスクの指標化(KRIなど)の設定及び対応策の検討を行い、予算管理のモニタリング対象に含めます。ここで、KRIはKey Risk Indicatorの略で、企業全体でリスクを可視化するものです。

④中長期利益計画・予算の策定

経営方針(戦略)と長期的な目標を達成するためのものとして中・長期利益計画を立案し、この中・長期利益計画の初年度のものとして予算を作成します。

2. 「A」の基本ステップ

FP&Aは「FP」(計画)と「A」(分析)を連携させることが重要です。特に、対象部署に有益なフィードバックを行うために、データ分析を行い、計画に対して何が順調に進捗していて、何が順調に進捗していないかを可視化することが重要です。当初の計画通りに進捗していない場合には、どのような手を打つ必要があるか対応策を検討する必要があります。予算の進捗状況を把握するにあたっては、KPIやバランススコアカードなどを使用してパフォーマンスを詳細に評価します。
コロナ禍以前のある程度安定した環境下では、当初の予算を着実に実行するためPDCAサイクルを実践すれば足りましたが、VUCA時代とも言われる近年のコロナ禍やウクライナ侵攻など経営環境が期中に大きく変化する状況では、予算との差異を確認するだけでは不十分で、外部環境の変化に気を付ける必要があります。直近では、以下のような従来から用いられてきたPDCAサイクルだけでなく、OODAループという手法により外部環境をウォッチすることが重要になりつつあります。

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仰星コンサルティング株式会社

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