雇用調整助成金の会計処理について
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1.はじめに
新型コロナウイルス感染症の影響に伴い、雇用調整助成金を活用するための特例措置が2020年9月30日まで実施されています。 特例措置の詳細は こちらこちらをご確認ください。
本稿執筆時点で公表されている8月21日時点の支給決定額は9,941億円となっており、実際に支給を受けた会社も多いのではないでしょうか。
日本では会社の費用を助成するような補助金についての会計基準が明文化されていないため、その実態に応じて会計処理を検討する必要があります。本稿では、開示例をもとに支給を受けた上場会社がどのように会計処理を行ったかまとめてみたいと思います。2．雇用調整補助金に関する有価証券報告書の開示例
決算日が2019年12月31日から2020年6月30日の間にある会社を対象として、有価証券報告書内に「雇用調整助成金」と記載している事例を検索したところ、26社が抽出されました。また、「緊急雇用安定助成金」も同様に検索したところ、㈱梅の花1社のみ抽出され、雇用調整助成金の検索結果と重複するため、以下の表は雇用調整助成金のみに絞ったものとしています。
業種 社数 サービス業 5 小売業 4 鉄鋼 3 輸送用機器 3 銀行業 2 化学 1 金属製品 1 情報・通信業 1 食料品 1 繊維製品 1 その他 4 総計 26 
証券コード 会社名 業種 取引所 決算日 2146 ＵＴグループ(株) サービス業 東証一部 2020/03/31 2169 ＣＤＳ(株) サービス業 東証一部、名証一部 2019/12/31 2910 (株)ロック・フィールド 食料品 東証一部 2020/04/30 3141 ウエルシアホールディングス(株) 小売業 東証一部 2020/02/29 3512 日本フエルト(株) 繊維製品 東証一部 2020/03/31 5481 山陽特殊製鋼(株) 鉄鋼 東証一部 2020/03/31 5632 三菱製鋼(株) 鉄鋼 東証一部 2020/03/31 5658 日亜鋼業(株) 鉄鋼 東証一部 2020/03/31 7231 トピー工業(株) 輸送用機器 東証一部、名証一部 2020/03/31 7327 (株)第四北越フィナンシャルグループ 銀行業 東証一部 2020/03/31 7888 三光合成(株) 化学 東証一部 2020/05/31 8345 (株)岩手銀行 銀行業 東証一部 2020/03/31 9627 (株)アインホールディングス 小売業 東証一部、札証上場 2020/04/30 9744 (株)メイテック サービス業 東証一部 2020/03/31 2798 (株)ワイズテーブルコーポレーション 小売業 東証二部 2020/02/29 4691 ワシントンホテル(株) サービス業 東証二部、名証二部 2020/03/31 5952 アマテイ(株) 金属製品 東証二部 2020/03/31 6982 (株)リード 輸送用機器 東証二部 2020/03/31 7604 (株)梅の花 小売業 東証二部 2020/04/30 2340 (株)極楽湯ホールディングス サービス業 ＪＱＳ 2020/03/31 3911 (株)Ａｉｍｉｎｇ 情報・通信業 東証マザーズ 2019/12/31 7249 尾張精機(株) 輸送用機器 名証二部 2020/03/31 － (株)中山カントリークラブ 非公開 非上場 2020/04/30 － アルピコホールディングス(株) 非公開 非上場 2020/03/31 － サンデン交通(株) 非公開 非上場 2020/03/31 － 大阪印刷インキ製造(株) 非公開 非上場 2020/03/31 雇用調整助成金の記載があった会社のうち、銀行業2社は手続面の支援をする旨の記載でした。
それ以外の会社は制度を活用しており、主に営業外収益として計上されています。なお、このような助成金収入は費用と相殺することなく、それぞれ総額で計上するものと考えられます。会社によっては、臨時かつ巨額の収入として特別利益で計上している例もありました。
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- 仰星監査法人
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