海外療養費について
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私的な旅行で海外に渡航中、病気や怪我によりやむを得ず現地の病院で治療を受けた場合は、加入する健康保険組合などの保険者に対し、申請手続きを行うことにより一部医療費の払戻しを受けることができます。
ただし、申請ができる範囲は日本で健康保険が適用される治療分になりますので、美容整形、人工授精等の不妊治療、インプラント治療などは申請対象外となります。【申請に必要な書類】
以下は、協会けんぽにおける必要書類の例になります。
(医科の場合)
- 海外療養費支給申請書
- 診療内容明細書
- 領収明細書
- 現地で支払った領収書の原本
- 各添付書類の翻訳文
- 受診者の海外渡航期間がわかる書類
(パスポートのコピー等) - 同意書
(医療機関への診療内容確認のための受診者の同意書)
(歯科の場合)
「診療内容明細書」以外は医科の場合と同じ書類、ただし、「診療内容明細書」に代わるものとして、「歯科診療内容明細書」が必要となります。
なお、医科、歯科ともに、前述以外で条件に応じて追加で必要となる書類があります(詳細は協会けんぽのホームページをご確認ください)。
特に「診療内容明細書」については、どのような診察が行なわれたか、またその内容。「領収明細書」については、治療行為においていくらの医療費が発生したかの金額内訳になりますので、詳細なものが必要となります。また、これらの書類については、日本語の翻訳文を付けて提出頂くことが必要となります。協会けんぽではホームページにて必要書類の案内と、その書式が掲載されており、書式を出力することができます。【支給金額】
日本国内で同じ治療を受けた場合に生じる治療費を基準に計算した額から自己負担相当額(原則3 割)を差し引いた額になります。ただし、日本と海外とでは、医療制度、医療体制及び治療方法が異なることから、実際に支払った額から自己負担相当額を差し引いた額よりも、支給金額が大幅に少なくなることがあります。なお、外貨で支払われた治療費については、支給決定日の外国為替換算率(売レート)を用いて円に換算して支給金額を算出します。
万が一に備え、海外渡航前に自身が加入している健康保険組合等へ必要手続き及び必要書類等はご確認ください。
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- SATO社会保険労務士法人
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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。