地震による休業補償
2018年8月8日
地震等の天災地変による事業の休止等でやむなく労働者を休業させる場合、まずは労使間でよく話し合い、労働者の不利益を出来る限り回避するよう努力することが大切になります。
労働基準法第26条では「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、使用者は休業期間中の休業手当(平均賃金の60パーセント以上)を支払わなければならない」と定められています。このため、企業側の都合で休業させた場合に賃金や手当を支払わないとすることは出来ません。
ただし、その休業が不可抗力によるものである場合は使用者側に責任があるものとは言えないので、この場合は休業手当の支払義務は生じません。
ここでいう不可抗力とは、下記の2つです。
- 事業の外部で生じたものであること
- 事業主側が通常出来うる最大限の注意を払ってなお避けることのできないもの
したがって、地震等の天災地変によって事業場の施設、設備が直接的な被害を受け、事業を行うことが困難になったために労働者を休業させた場合、これは不可抗力によるものとなるため使用者側が休業補償を支払う義務はないと解されます。
なお、上記に関わらず、労働契約や労働協約、就業規則、労使慣行等に基づいて賃金や手当を支払う企業のルールがある場合については、そのルールが優先されますのでご留意ください。
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