休み方改革
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仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現や生産性の向上などを目指すために、労働者の働き方とともに「休み方」が注目されています。
政府は、近く官民からなる「休み方改革」の推進会議を新設することを明らかにしました。そこでは企業に対して2018 年度の年次有給休暇(有休)の取得日数を3日増やすことを求め、学校の長期休暇の一部を分散させるキッズウィークを導入する方針が示されました。(朝日新聞、日本経済新聞など2017年6月6日付)
今回は年次有給休暇の取得について、制度のポイントを要約してお知らせいたします。 - 年次有給休暇の取得状況
- 年次有給休暇とは?
- 「仕事休(やす)もっ化計画」
平成28 年就労条件総合調査によると、平成27年に企業が労働者に付与した年次有給休暇の日数(繰越日数を除く)の平均は18.1 日でしたが、そのうち労働者が実際に取得した日数の平均は8.8日で、取得率は48.7%に止まりました。 性別で比べると、男性は45.8%(8.4 日)に対して、女性は54.1%(9.3 日)となりました。業種別では、電気・ガス・熱供給・水道業が最も高く71.3%であるのに対して、宿泊業・飲食サービス業は32.6%と最も低くなっています。また、企業の規模が大きいほど取得率は高くなっています。
年次有給休暇は労働契約上労働の義務のある日について、その義務を免除して有給の休暇とする制度です。使用者は「その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない」と定められており(労働基準法第39 条)、要件を満たした労働者には当然年次有給休暇を請求する権利が与えられます。
従って、嘱託やアルバイト、パートタイム労働者などにも、年次有給休暇を取得する権利があります(労働条件に応じて、比例付与の場合があります)。また、そもそも労働の義務がない日(所定休日や法定休日など)には、年次有給休暇を取得することはできないことにも注意する必要があります。
政府は、年次有給休暇の取得率を引き上げるために、平成29 年度は「仕事休もっ化計画」として、週末や祝日の前後に年次有給休暇を取得することで連休を実現する「プラスワン休暇」を推奨しています。また、年次有給休暇の「計画的付与」の活用を推奨しています。
年次有給休暇の「計画的付与」とは、個人が自由に取得することができる日を5 日分は残しておいて、それ以外の日数について、計画的に年次有給休暇を取得するようにする制度のことです。
この制度を導入することで、夏季休暇や年末年始休暇と所定休日の間に計画的付与の年次有給休暇を組み合わせることで、大型連休とすることができます。また休日の橋渡し(ブリッジ)として計画的に年次有給休暇を用いることもできます。
この制度を導入するためには、就業規則に年次有給休暇を計画的に付与させることを定め、労使間で労使協定を結ぶ必要があります。この労使協定は、所轄の労働基準監督署に届け出る必要はありません。
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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。