【令和4年最新】就労条件総合調査の結果をポイント解説します

2022年11月24日
【令和4年最新】就労条件総合調査の結果をポイント解説します

【5分で納得コラム】今回のテーマは「令和4年就労条件総合調査」の結果についてです。

令和4年 就労条件総合調査

令和4年10月に厚生労働省から発表された「令和4年 就労条件総合調査」について、その結果を一部抜粋してご紹介します。

年次有給休暇の取得率は58.3%で過去最高更新

令和3年(2021年)の1年間に企業が付与した年次有給休暇日数は、労働者1人平均で 17.6日(前年調査 17.9日)、このうち労働者が取得した日数は 10.3日(同 10.1日)です。

また、労働者1人平均年次有給休暇取得率は 58.3%で、第2図のとおり、ここ3年続けて過去最高を更新しています。これには、平成31年(2019年)4月の改正労働基準法(年5日の年次有給休暇の取得義務)が影響しているでしょう。

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フレックスタイム制の採用企業割合 8.2%

第8表のとおり、変形労働時間制を採用している企業割合は 64.0%(前年調査 59.6%)、変形労働時間制の種類(複数回答)別にみると、「1年単位の変形労働時間制」が 34.3%(前年調査 31.4%)、「1か月単位の変形労働時間制」が 26.6%(前年調査 25.0%)、「フレックスタイム制」が 8.2%(前年調査 6.5%)です。

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なお、フレックスタイム制の採用企業割合について、直近5年分の調査結果をまとめると下表のとおりになります。

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「調査(規模)計」でみると採用企業割合がここ3年増えていますが、これには、働き方改革やコロナ禍における在宅勤務制度の導入に合わせた労働時間制度の変更が影響していると思われます。

65歳以上の定年を定めている企業割合は24.5%

一律定年制を定めている企業においては、「60歳」を定年年齢としている企業割合が 72.3%と最も多いですが、「65 歳以上」を定年年齢としている企業割合も 24.5%(前回[平成29年調査]17.8%)と約4分の1になっています。

なお、「65 歳以上」を定年年齢としている企業割合を企業規模別にみると、「1,000 人以上」が 17.8%、「300~999 人」が 14.1%、「100~299 人」が 20.8%、「30~99 人」が 27.0%となっています。

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高年齢雇用安定法の改正により70歳までの就業確保が努力義務となっているため、今後も、「65 歳以上」を定年年齢とする企業割合は増えていくでしょう。

執筆陣紹介

岩楯めぐみ(特定社会保険労務士)

食品メーカーを退職後、監査法人・会計系コンサルティンググループで10年以上人事労務コンサルティングの実施を経て、社会保険労務士事務所岩楯人事労務コンサルティングを開設。株式上場のための労務整備支援、組織再編における人事労務整備支援、労務調査、労務改善支援、就業規則作成支援、労務アドバイザリー等の人事労務全般の支援を行う。執筆は「テレワーク・フリーランスの労務・業務管理Q&A」 (共著/民事法研究会/2022)、「実務Q&Aシリーズ 退職・再雇用・定年延長(共著/労務行政研究所/2021)、「判例解釈でひもとく働き方改革関連法と企業対応策」(共著/清文社/2021) など。

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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。

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