短時間労働者に対する社会保険の適用拡大③
学生でないこと
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前2回に引き続き、社会保険の適用拡大の対象となる短時間労働者の要件の確認です。
今回は、以下の「③ 学生でないこと」についてその内容を確認します。
- ① 週の所定労働時間が20時間以上であること
- ② 月額賃金が8.8万円以上であること
- ③ 学生でないこと
- ④ 2ヵ月を超える雇用の見込みがあること
短時間労働者の適用要件のひとつである「学生でないこと」の「学生」は、厚生年金保険法第12条第5号で「学校教育法第50条に規定する高等学校の生徒、同法第83条に規定する大学の学生その他の厚生労働省令で定める者」と規定されており、具体的には次の者を指します。
- 高等学校に在学する生徒
- 中等教育学校に在学する生徒
- 特別支援学校に在学する生徒
- 大学(大学院を含む)に在学する学生
- 短期大学に在学する学生
- 高等専門学校に在学する学生
- 専修学校に在学する生徒
- 各種学校に在学する生徒(修業年限が1年以上である課程を履修する者に限る)
- 上記の教育施設に準ずる教育施設に在学する生徒又は学生
ただし、次の者はその対象から除かれます。
- 卒業した後も引き続き当該適用事業所に使用されることとなっている者
- 休学中の者
- 定時制課程に在学する者
- 通信制課程に在学する者
- その他上記に準じる者(いわゆる社会人大学院生等)
よって、例えば、大学生として卒業後4月1日から新卒で正社員として就職が決まっている会社で、入社1ヵ月前の3月1日からアルバイトとして週20時間で勤務する場合は、3月は上記の「大学(大学院を含む)に在学する学生」ではありますが、対象から除外される「卒業した後も引き続き当該適用事業所に使用されることとなっている者」にあたるため、月額賃金が8.8万円以上であれば、アルバイトとして働き始める3月1日から社会保険に加入することになります。
執筆陣紹介
- 岩楯めぐみ(特定社会保険労務士)
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食品メーカーを退職後、監査法人・会計系コンサルティンググループで10年以上人事労務コンサルティングの実施を経て、社会保険労務士事務所岩楯人事労務コンサルティングを開設。株式上場のための労務整備支援、組織再編における人事労務整備支援、労務調査、労務改善支援、就業規則作成支援、労務アドバイザリー等の人事労務全般の支援を行う。執筆は「テレワーク・フリーランスの労務・業務管理Q&A」 (共著/民事法研究会/2022)、「実務Q&Aシリーズ 退職・再雇用・定年延長(共著/労務行政研究所/2021)、「判例解釈でひもとく働き方改革関連法と企業対応策」(共著/清文社/2021) など。
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※本コラムに記載された内容は執筆者個人の見解であり、株式会社クレオの公式見解を示すものではありません。