断続的な宿直又は日直勤務の許可基準とは

2015年7月7日

先日、クライアントから保守点検業務に関する待機をしている従業員に対して、宿直又は日直勤務の適用ができるかどうかの相談を受けました。結果的には、宿直又は日直勤務の適用は不可との判断に至りましたが、今回は、断続的労働に関する許可基準についてあらためて確認しておきたいと思います。

1.断続的労働に関する根拠規定

宿直又は日直勤務については、労働基準法第41条第3号にある以下の定めが根拠となります。

(労働時間等に関する規定の適用除外)

第四十一条  この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。

  • 一 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者
  • 二 事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者
  • 三 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの
2.断続的労働に関する許可基準

断続的な業務に該当するか否かについては、以下の表の通達と照らして判断されます。実務上は労働基準監督署に『監視/断続的労働に従事する者に対する適用除外許可申請書【様式第14号(第34条関係)】』を提出し、許可を得た上で運用する必要があります。なお、本手続きは電子証明書があれば、電子政府の総合窓口「e-Gov(イーガブ)」での申請も可能です。

【断続的な宿直又は日直勤務の許可基準】
No 項目 備考
1 常態としてほとんど労働をする必要のない勤務のみを認めるものであり、定時的巡視、緊急の文書または電話の収受、非常事態に備えての待機等を目的とするものに限って許可する 昭和22.9.13
発基第17号
昭和63.3.14
基発第150号
2 原則として、通常の労働の継続は許可しない
3 宿直、日直とも相当の手当の支給、宿直については相当の睡眠設備を条件として許可する
4 宿日直手当の基準は、宿直または日直の勤務に就くことの予定されている同種の労働者の1日平均額の3分の1を下らないもの
5 一定期間における勤務回数が頻繁にわたるものについては許可しない 昭和23.1.13
基発第33号
昭和63.3.14
基発第150号
6 宿直または日直の勤務回数は、宿直勤務については週1回、日直勤務については月1回を限度とする
7 所定の始業時刻または終業時刻に密着して行う短時間の断続的労働(例えば、9時~18時の所定労働時間の前後の8時~9時および18時~20時)は、宿直勤務と解されず、また、おおむね4時間未満程度のものは日直とも解されない 昭和43.4.9
基収第797号




執筆陣紹介

みらいコンサルティンググループ
公認会計士、税理士、司法書士、社会保険労務士、中小企業診断士などの各分野を中心に約100名で活動。経営、会計、M&A、 事業再生・再編、事業継承、人事・労務、情報システム等企業が抱えるあらゆる問題について解決策を提案し、実行することでクライアントに対し真の成長をサポートしている。


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