新消費税法に関する経過措置の取扱いQ&Aについて
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平成30年10月、国税庁消費税室より次の2つのQ&Aが公表されています。
- 平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A【基本的な考え方編】
- 平成31年(2019年)10月1日以後に行われる資産の譲渡等に適用される消費税率等に関する経過措置の取扱いQ&A【具体的事例編】
平成31年10月1日から消費税法が改正されることが予定されています。今回の消費税法の改正において、平成31年9月から10月にまたがる取引に新旧どちらの消費税率が適用されるかは実務において混乱が想定される論点と考えられますので、改めて確認しておく必要があります。
消費税率が5%から8%に引き上げられる際(前回)にも、同様にQ&Aが公表されているため、前回から今回にかけての変更点を中心に説明します。
(1)今回追加されたQ&A
今回は基本的な考え方と具体的事例の2部構成となっているほか、前回から今回にかけて、次のQ&Aが追加されています。
【基本的な考え方編】
問7 31年施行日(平成31年10月1日)以後の取引に適用される経過措置の概要を教えてください。 問8 経過措置が適用される取引は、必ず経過措置を適用しなければなりませんか。例えば、電気料金等の税率等に関する経過措置の適用を受ける電気料金について、新税率(10%)により仕入税額控除の計算をすることはできますか。 問43 リース譲渡の特例計算の方法により経理した場合のリース譲渡に係る資産の譲渡等の時期の特例を受ける場合における税率等に関する経過措置の概要を教えてください。 問47 特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)に規定する特定家庭用機器廃棄物の再商品化等に関する業務に係る対価を領収している場合の税率等に関する経過措置の概要を教えてください。 【具体的事例編】
問9 31年施行日を含むゴルフ場の年会費 問12 31年施行日以後のプラン変更による追加料金に係る適用税率 問16 貸ビルオーナーがテナントから受け取る電気料金の取扱い 問22 工事の請負等の税率等に関する経過措置が適用される建設工事の値増金の取扱い 問23 結婚式等の注文を受ける場合の経過措置の適用関係 問24 歯の矯正治療やインプラント治療 問26 メンテナンス料を含むコピー機のリース料 問30 「協議により同意があった場合に対価を変更することができる」旨の定め 問33 インターネット通販に係る経過措置の適用関係 問34 販売価格が変動しうることを示している場合 特に、【基本的な考え方編】の問8では、経過措置が適用される取引には必ず経過措置を適用しなければならず、選択適用は認められない旨が明記されているため、経過措置が適用される取引が自社で行われていないかチェックしておく必要があります。
(2)前回から今回にかけて回答に更新のあったQ&A
前回から今回にかけて引き続き掲載されているQ&Aについて、根本的な考え方に大きな変更はなさそうですが、次のように部分的に更新されている箇所もあります。そのため、改めてQ&Aを確認したうえで、経理処理することが望ましいでしょう。
なお、下記は例として一部抜粋したものであり、更新箇所を網羅したものではないためご注意ください。【基本的な考え方編】( 赤字部分が前回から追加されている)
問6
【答】…(略)
ただし、1年分の対価を受領することとしており、 中途解約時の未経過部分について返還の定めがない契約において、事業者が継続して1年分の対価を受領した時点の収益として計上している場合は31年施行日の前日(平成31年9月30日)までに収益として計上したものについて旧税率(8%)を適用して差し支えありません。問40
【答】通信販売等の税率等に関する経過措置の適用対象となる「商品の販売」は、物品の販売に限られませんので、通信教育 や電子書籍の配信等の役務の提供も含まれます。 【具体的事例編】( 赤字部分が前回から追加されている)
問21 …(略) 【答】 ①…(略) なお、31年指定日(平成31年4月1日)以後に仕様の変更を行った場合、当該仕様変更により、譲渡対価の額が変わらない限り、経過措置が適用されますが、譲渡対価が増額した場合には、その増額部分については、経過措置は適用されません。…(略)
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